池井戸潤さんの小説の感想ブログです

池井戸潤さんの小説が好きで、よく読んでいます。その感想を書いていますので、参考にしてみていただけるとありがたいです。また、池井戸潤さんの小説に関連した本の書評もありますので、そちらもぜひご覧ください。

池井戸潤「シャイロックの子供たち」第一話「歯車じゃない」の感想

池井戸潤さんの小説「シャイロックの子供たち」を読みました。

 

第一話は「歯車じゃない」というタイトルになっています。

 

この小説のシャイロックというのはどういう意味かわかりますか?

 

シャイロックはシェークスピアの「ヴェニスの商人」に出てくる金貸しです。

 

シャイロックユダヤ人の金貸しで、悪辣、非情に描かれています。

 

そのシャイロックの子供たちは、銀行員のことになります。

 

銀行員も所詮は金貸し、そして非情で悪辣な金貸しということです。

 

そしてこのタイトル「歯車じゃない」は、かなり意味が深いように思います。

 

この章は銀行が販売する投資信託に関しての出来事が描かれています。

 

投資信託を販売するのは、銀行からノルマがかされているからです。

 

銀行から課されたノルマのために歯車のように働く。

 

たとえ投資信託で損するかもしれない状況でもノルマをクリアーするしかない。

 

その状況に耐えるしかないのです。

 

しかし、この章ではその状況に異議を唱える人物が出てきます。

 

「銀行の歯車じゃない」と言い放ちます。

 

ここから大波乱が起こります。

 

歯車ではないというのは、社会人なら誰でも持っているかもしれません。

 

銀行員に限ったことではない。

 

しかしそれを口にすることは許されませんね。

 

許されないことをしたとき、上司や組織はどう反応するのでしょう?

 

シャイロックの子供たち (文春文庫)

 

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シャイロックの子供たちを読みたい方はこちらを参考にしてください。