池井戸潤「果つる底なき」第五章「回収」の感想
池井戸潤さんの小説「果つる底なき」を読みました。
第五章は「回収」というタイトルになっています。
そして、この第五章が最終章です。
回収とは、銀行の場合は融資した資金を返してもらうことです。
その回収がテーマのこの章は、果つる底なきの重要なものです。
この章で全てが明らかになりました。
全ての資金の流れが明らかになっています。
そして、なぜそのような資金の流れになっているのか?
なぜそのような事件がおきてしまったのか?
なぜその人物が関係しているのか?
本当にすべてがすっきりとしたという印象です。
この小説のポイントの一つは、やはり融通手形という言葉ではないでしょうか?
違法ではないようですが、道義的に許されるものではありません。
そういったところから、全てが崩れてしまうものです。
健全ではない資金の流れは、全てを間違った方向に流してしまうのでしょう。
この果つる底なきで重要なのは、そこなのではないでしょうか?