池井戸潤「下町ロケット」第三章「下町ドリーム」の感想
第三章は「下町ドリーム」というタイトルです。
下町ドリームというタイトルは、佃製作所の夢ということでしょう。
佃製作所の夢、佃社長の夢は自社のロケットを飛ばすこと。
この大きな夢を実現させるためには、
やはり小さなことから始める必要があります。
帝国重工に佃製作所の特許技術の使用を許可するかどうか
佃社長はかなり悩んでいたようです。
特許使用の契約を結べば、確実に資金が入ってきます。
しかし、それは技術を提供しているだけです。
佃製作所はエンジン部品を作ってお客様に喜んでもらう会社。
特許技術を売る会社ではない。
ロケットの部品を作ってそれを供給したい。
それが佃社長の気持ちであり、夢でもあるのです。
この部分は、下町の中小企業のプライドのようなものを感じますね。
作った部品を供給すればお客様に必ず満足してもらえる。
それが今回は帝国重工だというだけのこと。
ロケットであろうと、佃製作所の部品なら必ず成功する。
そんなプライドを感じるのです。
そして夢を決してあきらめないという気持ち。
ロケットを飛ばすという夢ではありませんが、ロケットに部品を供給する。
それが夢への第一歩となる。
日本の中小企業というのは、形は違ってもこんな気持ちで
いつも仕事をされているのではないでしょうか?
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小説を買いたいという方はこちらを参考にしてください。
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