池井戸潤「下町ロケット」第五章「佃プライド」の感想
第五章のタイトルは「佃プライド」です。
佃製作所は、帝国重工にロケットの部品を供給したいと提案しています。
そこで帝国重工は、部品供給ができるかテストが必要だといいます。
しかし、このテストは最初から部品供給を拒否するためのもの。
ですから、佃製作所にテストに来た帝国重工の社員の態度は
かなり横柄なものです。
読んでいる私もかなり不快な気持ちになってしまいました。
読み手の感情までコントロールするあたりは
池井戸さんの思惑通りという感じでしょうか?
さすがですね。
そしてさらに池井戸潤さんの思惑にはまってしまいます。
ここで佃製作所は佃プライドを帝国重工に見せ付けるため、
社員一丸となってテストを乗り切ろうとがんばります。
帝国重工のテストが、佃製作所を貶めただけではなく、
社員自体も否定されたという気持ちになったのでしょう。
ここから佃製作所の巻き返しが始まります。
この後の佃製作所の社員と、帝国重工の社員のやり取りは
本当に興奮してしまいました。
ここが池井戸潤さんの小説の面白いところなんですよね。
小説に感情移入を自然にしてしまうところです。
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小説を買いたいという方はこちらを参考にしてください。
レビューなども参考になります。