池井戸潤「不祥事」第七章「彼岸花」の感想
池井戸潤さんの小説「不祥事」を読みました。
第七章のタイトルは「彼岸花」です。
彼岸花が、真藤部長のところに届く場面からこの章が始まります。
この彼岸花には深い意味が込められています。
彼岸花には銀行内部の出世に関することが絡んでいるようです。
銀行というところは、出世できるかどうかがものすごく重要なようです。
少しでも問題を起こせば、すぐに出世街道から外れる。
銀行での出世は転勤が全て。
どこに転勤するかということで、出世するかしないかが判断できます。
中には他人を蹴落としてでも出世したいという人間がいます。
そして蹴落とされた人間も当然います。
蹴落とされた人間のことを、蹴落とした人間はすこしでも考えるのでしょうか?
そういう人間は蹴落とされた人間のことなど考えるはずがありません。
ましてや蹴落とされた人間の家族のことなど、
露ほどにも考えることはないでしょう。
この彼岸花には家族の思いが詰まっています。
そして銀行が他人に思いやりを持って、
社会の役に立てる企業になれるようにという思いも込められています。
彼岸花一つに大きな思いがこもっているのですね。
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