池井戸潤「仇敵」第四章「漏洩」の感想
池井戸潤さんの小説「仇敵」を読みました。
第四章のタイトルは「漏洩」になっています。
銀行というところは、重要な顧客情報がたくさんあります。
顧客情報の塊とでも言ったほうが良いかもしれません。
しかも、本当に重要な情報ばかりです。
顧客の財産に関する情報ですから、重要度は本当にマックスなはず。
漏洩があったとなると、信用もがた落ちになってしまいます。
その漏洩が、この章で中心に進められるあらすじになります。
今回あらすじの中で出てくるのは、クレジットファイルです。
クレジットファイルというのはどのようなものなのでしょうか?
それは銀行が貸出しをしている会社の決算内容や経営者の情報、
そしてその会社に貸出しを行うにあたり必要な情報を記載した書類、
ファイルのことになります。
このクレジットファイルが漏洩されたとなると、
本当にただではすまない事態に陥ってしまうことは簡単に想像できます。
会社の全てがそのファイルにあるといってもよいですから。
クレジットファイルの漏洩に関して、恋窪が調査を進めると、
意外にもというか、やはりというべきか、人間関係の重要性が出てきます。
どんなことでも人間関係が、その根本にありますからね。
どれほど厳重に個人情報を守っていても、悪意のある人間がいれば、
その苦労も一瞬にして無駄になってしまいます。
ですから、本当に重要なのは、悪意を持った人間を作らないこと。
そのためには、どんな場面でもWIN-WINになる必要があります。
こう言葉でいうのは簡単なんですが、実際は難しいものです。
この章でも思いがけない人物が登場してきますから。
全ての基本は人間関係という、反論しようもない感想になってしまいました。
↑ ↑
小説が読みたいという方はこちらを参考にしてください。
レビューなども参考になりますよ。