池井戸潤「仇敵」第二章「貸さぬ親切」の感想
池井戸潤さんの小説「仇敵」を読みました。
第二章のタイトルは「貸さぬ親切」になっています。
銀行というところは、よく晴天のときに傘を差し出して、
雨が降ってくると傘を取り上げるといわれます。
中小企業の経営者の方などは、
この言葉が身にしみてわかっているのではないでしょうか?
銀行に親切というものがあるのかと、
このうわさだけを聞いていると感じてしまいます。
基本的に金貸しの銀行ですから、儲かるとわかればお金は貸すでしょう。
貸した後のことを考える銀行というのは少ないのかもしれません。
その融資が破滅への一歩となるようなことがあったとしても、
利益優先の銀行には関係がない。
そんなイメージを勝手に持っています。
しかしこのタイトルは、貸さぬ親切。
かなり意味が深いタイトルですよね。
この主人公の庶務行員である恋窪は、資金の流れでその企業の
健康状態がわかってしまうようです。
ですから貸してしまうと、その企業がどうなるのかわかる。
融資ではなく、ほかの方法をアドバイスする。
イメージしている銀行員とはちょっと違いますね。
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小説が読みたいという方はこちらを参考にしてください。
レビューなども参考になりますよ。