池井戸潤「空飛ぶタイヤ」の序章と第一章の感想
池井戸潤さんの小説「空飛ぶタイヤ」を読みました。
序章は「決して風化することのない、君の記憶」、
第一章は「人生最悪の日々」というタイトルになっています。
序章は、数ページで終わりです。
しかし、この序章が本当に重要な部分になっています。
そして第一章は「人生最悪の日々」。
これほど人生最悪の日々はないというほどの内容です。
運送会社の赤松運送が運転するトラックのタイヤが外れ歩行者に激突、
その歩行者がなくなってしまうというところから始まります。
そのトラックは大手トラック会社のホープ自動車のものです。
赤松運送は、そして赤松徳郎は、ここから苦悩の日々が始まります。
こんな状況になっても、経営者の赤松は会社を続ける必要があります。
会社には従業員がいますし、取引先もあります。
その人たちの人生を背負っているといってもよいです。
この小説は実際の事故がモデルになっています。
三菱自動車工業の大規模なリコール隠しによる一連の事件がモデルです。
タイヤが脱輪して歩行者に激突し、亡くなった事件が横浜でありました。
リコール隠しがなければ、起こらなかったかもしれない事件です。
この事件をモデルにして、さらに大企業の実態や銀行の実態が
明らかになっているような気がします。
リコール隠しを許さないためにも、このような小説は多くの方に読んでもらいたいです。
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