池井戸潤「銀行狐」第五章「ローンカウンター」の感想
池井戸潤さんの小説「銀行狐」を読みました。
第五章のタイトルは「ローンカウンター」です。
ローンカウンターというのは、銀行でローン契約をするカウンター。
そして、この第五章は殺人事件から始まります。
さらに殺人事件は、何件も連続して起こります。
それがローンカウンターとどう関係があるのか?
少し考えたところでその関係はわかりませんね。
しかし、章を読みすすめていくと、その関係がわかるようになりました。
ローンカウンターというのは、ローンを組む場所。
その人の資産の状況などの情報を全て持っています。
でも情報ってそれだけなんじゃないのか?
そう思って読んでいると、実はそれだけではないようなんです。
ほとんどその人のことを知っているといっても良いのではないか?
そう思えるほどの情報をつかんでいるようです。
ローンを組むという場合は、メインバンクにお願いすることが多いはず。
メインバンクは、その顧客の口座の入出金明細など重要な情報を持っています。
この入出金明細だけで、かなりその人の生活状況などがわかるようです。
給与の金額はもちろんですが、公共料金の引き落としやクレジットカード
の引き落としなどの金額もわかります。
この金額で一人暮らしなのか、家族で暮らしているのかがわかります。
この第五章では、公共料金の話が出ていました。
水道料金やガス料金がほとんど基本料金しか引き落とされていない。
となると部屋では寝るだけという一人暮らしの可能性が高い。
そんな内容になっています。
すごいと思う反面、ちょっと怖いと思いました。
悪用しようと思えば悪用できてしまいます。
個人情報ですから、取り扱いには十分注意しているはずですが、
万が一ということもないわけではありません。
その万が一がこの章で起こっているのですから。
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