池井戸潤「ルーズヴェルト・ゲーム」第六章「六月の死闘」の感想
第六章のタイトルは「六月の死闘」です。
このタイトルにはいろんな意味があるように感じます。
野球部は、存続をかけて試合にのぞんでいます。
この試合はなんとしても勝たなければならない。
青島製作所野球部にとっては、まさに死闘ということになります。
野球部というのは、もちろんプロ野球選手ではありません。
しかし、野球採用されたものがほとんどです。
ですから、野球のグラウンドに自分自身の存在価値があるということになります。
しかし同時に青島製作所を取り巻く環境は厳しいものになっています。
そのため青島製作所は、コストカットのために
かなり厳しいリストラを進めています。
野球部を維持するためには、年間3億円のコストが必要です。
コストカットを進めている中で、野球部のコストを認めるのは難しい。
野球部も廃部の方向に進んでいる状態です、
野球部員は自分自身の存在価値を示す場所を失おうとしています。
ですから死闘に勝利して、自分自身の存在価値をなんとしても示す必要があるのです。
そんな緊迫感が小説から伝わってきます。
そして野球の試合だけではありません。
青島製鉄所の本業でも、会社の存在意義を考えることが起こります。
どちらも読んでいるこちら側にとっては面白い展開になっています。
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