池井戸潤「オレたち花のバブル組」第四章「金融庁の嫌な奴」の感想
池井戸潤さんの小説「オレたち花のバブル組」を読みました。
第四章は「金融庁の嫌な奴」というタイトルになっています。
いよいよ金融庁検査が始まります。
この金融庁検査を乗り切るかどうか、それが東京中央銀行の運命を決めます。
そして伊勢島ホテルの運命も。
しかし、金融庁にはあの嫌な奴がいます。
黒崎検査官です。
黒崎は、かなりやり手の検査官。
しかもおねえキャラですから、どう接すればよいのかいまひとつわかりません。
そもそも金融庁検査の目的は何なのでしょう?
金融機関は原則として自らの経営判断で企業に融資しています。
銀行自身が稟議などでその企業が融資に適しているかを判断しますよね。
しかし、その融資基準が妥当なものなのかを判断するところがない。
その結果、返済のあてがない融資(不良債権)をするなどして金融システム全体への
信用を低下させるようなことが起こっては困ります。
ですから金融庁検査によって不良債権の実態を明らかにすることで
金融機関の預金者を保護し、金融システムの安定化を図るのです。
1999年4月に金融庁から公表された「金融検査マニュアル」があります。
そこに融資先のランク分けについて記載されています。
金融機関が資金を貸し出した企業について、正常、要注意、破綻懸念、破綻の
4段階に分類され、正常以外の3つは、まとめて「不良債権」とされます。
数円億円の引当金を積む必要があるのです。
そうなると東京中央銀行の経営をおおきく圧迫することになる。
そして、金融庁の検査官は黒崎がつとめています。
まさに絶体絶命の状態というわけなんですが、半沢直樹はどう対処するのでしょう?
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小説を購入したいという場合はこちらを参考にしてください。
レビューなども参考になりますよ。