池井戸潤「空飛ぶタイヤ」第五章「刑罰系迷門企業」の感想
池井戸潤さんの小説「空飛ぶタイヤ」を読みました。
第五章は「刑罰系迷門企業」というタイトルになっています。
名門が迷門ですから、どういう意味がわかりそうですね。
ホープ自動車は、どうも腐りきった企業になっています。
読んでいて腹が立ってしまうほどに腐っています。
企業が腐っていると、その内部の人も腐ってしまうのでしょうか?
腐ってしまう人もいれば、腐らない人もいる。
でも、腐らない人というのは圧倒的に少数のような気がしますね。
その人たちが動かなければ、企業は腐ったまま。
それがこの章ではっきりとわかりました。
腐った企業というのは、それ自身の存続のために、内部の人間を腐らせる。
なぜなら、腐っていない人がいれば、腐った企業は存続できないから。
こうなってくると、企業に人が支配されている状態ですね。
企業が浄化されるのは、かなり難しいような気がします。
ポイントになるのは、やはり少数の腐っていない人です。
この少人数がどう行動するかで、腐敗を止めて浄化できるかが決まります。
たとえば内部告発。
実際の企業の問題が発覚するのは、ほとんど内部告発のようですね。
しかし、言葉にすると簡単に思いますが、実際には難しいですよね。
腐っているほうが、出世できたり、給料も高かったり。
その難しい状況の中でも、浄化のために活動する人が出てくる。
それはその企業が末期のときかもしれません。
ホープ自動車は、まさにそのときではないでしょうか?
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