池井戸潤「架空通貨」を読んだ感想
池井戸潤さんの小説「架空通貨」が面白いですよね。
ところで架空通貨というと、やはりビットコインが思い浮かんでしまいます。
大きなニュースになったので、かなり印象に残っています。
そんなビットコインとも共通点があるのでしょうか?
この「架空通貨」で出てくるのは、社債を絡めた架空通貨です。
主人公は高校教師の辛島。
この辛島は元商社マンです。
そして、その教え子である女子高生の麻紀。
そしてその教え子の女子高生の実家が経営している会社である
黒澤金属工業という中小企業が1回目の不渡りを出すことになります。
2回目の不渡りを出すと当然ですが銀行取引は停止します。
何とかそれを避けたいといろんな金策をめぐらせるところで、
ある社債の存在がありました。
黒沢金属工業は取引先の田神亜鉛株式会社の
社債を7000万円引き受けていたのです。
期前償還を田神亜鉛がOKすれば黒沢金属工業は
2回目の不渡りを出さずに済みます。
結果黒澤金属工業は倒産しない。
そのために田神亜鉛株式会社を訪れた二人がたどり着いたのは、
「円」以上に力を持った闇のカネによって、人や企業、
銀行までもが支配された街だったのです。
ここからが面白くなっていく場面です。