「空飛ぶタイヤ」を読んで
池井戸潤さんの「空飛ぶタイヤ」を読みました。
以前に読んだことがあるのですが、もう一度読んでみることにしました。
タイヤ脱落事故と大手自動車メーカーのリコール隠しをテーマにした作品。
小説の概要としては、運送会社のトラックのタイヤが外れて、歩行者に当たって死亡させてしまった事故をめぐるものがたりです。
事故を起こした運送会社の社長が、自社の無実を証明すべく巨大企業の闇に挑む経済小説になっています。
真実を明らかにするなかで、メインバンクや取引先などとの関係を描いていますが、その背景などが見事に描かれています。
ウィキペディアで調べてみると、2002年に発生した三菱自動車製大型トラックの脱輪による死傷事故、三菱自動車によるリコール隠しなどを物語の下敷きとしているそうです。
主人公の資金繰りや、被害者家族とのかかわりなどが、読んでいるだけでイメージできてしまうのが、池井戸作品のすごいところです。
大企業では、企業の利益が優先してしまうことがあり、それが個人を傷つけてしまうことがあります。
それは悲しいことですが、大企業の一部になるとどうしても流されてしまいます。
大企業の力に対抗するのは、本当に難しいことですが、この小説を読んでいるとあきらめてはいけないという気持ちをつよくすることができます。
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